日本共産党新座市議会議員団
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にいざ民報

2005.12.25  No.1145
日本共産党新座市委員会
「街づくりは道路から」(須田市長)
百億円の借金の「ツケ」を市民に回す
財政難の原因は「人件費」でなく「道路用地費」

 須田市長は「街づくりは道路から」をモットーに道路拡幅を推進。4市合併ができるものと踏んだ03年04年には、一度に14本もの道路拡幅を推進。総事業費約50億円の都市計画道路・東久留米志木線の大型道路新設にも着手しました。

 このため道路用地の先行取得をしていた土地開発公社への借金が百億円以上になり、とうとう今年度からその返済(市が公社から土地を買収する)を毎年20億円前後もすることになっています。(表1参照)

 06年度の投資的経費(土木、建設などの事業経費)38億円の内、なんと約32億円は公社と東久留米志木線の土地の買収費です。

 市は「自由に使える投資的な事業ができない」として、小中学校の教室、体育館、プールの改修などをすべて先送りにし、高齢者や障害者の福祉サービス削減計画を発表。 いわばこれまでの財政運営のツケを子どもや社会的弱者に回すものです。

市長の責任は明らか

 小泉内閣の三位一体の改革でこの2年間で約27億円の減収となり、「財政が苦しい」(須田市長)のは事実ですが、後先を考えずに借金で道路用地買収や大型事業を進めてきたこれまでの市長の財政運営にも大きな責任があるのは明白です。

 「財政が苦しいなら職員を減らせば」とお考えの方もいるかと思います。しかし、新座市の職員人件費は、関東地方の同規模市の中では一番少なく、今後もさらに減る見通しです。

 市は5年間(06年〜10年)の財政見通しを発表しましたが、市の収入は5年後は372億円と今年度より伸びる見通しです。金が無いわけではなく、問題は金の使い方なのです。
表1)土地買収に追われる今後の財政見通し
「電線地中化工事」やめて
「老人電話」「林間学校補助金」を削らないで
 市は財政を引き締めるため5年間の『行財政改革大綱』の柱に「大型事業を見直し、スローダウンする」ことを掲げました。

 ところが現在新座駅南口第二区画整理事業(118億円)に追加して、来年度から北口土地区画整理事業をスタートさせようとしています。

 「第二区画整理事業はスローダウンした」としていますが、今後7年間の事業費は約71億円を予定。大幅なスローダウンとは言えない事業費です。しかも来年度工事には新座警察前の交差点から大門交差点まで人気のない道路に「電線地中化工事」を約1億円かけて実施します。一方で「一人暮らし老人の電話料補助」を削りながら、性急に進める必要はない区画整理事業や、観光都市の目玉「ふるさと新座館」を11億7千万円で建設する・・小泉内閣と同じ、逆立ちした市政ではないでしょうか。
北口区画整理事業など
大型事業のスタートはやめよ
 日本共産党市議団は、「増税と社会保障の切捨てに苦しむ市民の暮らしを守ることこそ自治体の役目」として、「1約1億円の電線地中化工事は取りやめる。2南口第二土地区画整理事業はもっとスローダウンする。3北口区画整理事業は南口が終了するまでスタートさせない。4土地開発公社からの土地買取と都市計画道路東久留米志木線をスローダウンすること。」を主張しています。

 大型事業を見直せば福祉、教育などの市民サービスカットは必要ありません。(表2参照)

 市は今後5年間で133事業、約46億円のサービス縮小、負担増を計画中です。情報公開を求めるとともに、「福祉、教育のカットはやめよ」の声をあげましょう。
表2)電線地中化工事をやめれば
県言いなりの大型事業、周辺道路に大渋滞の恐れ
新設道路 保谷朝霞線を4車線に?
 12月14日、議員全員協議会が開かれ、「都市計画道路保谷・朝霞線を県が国庫補助を受けて建設するので、新座市分の道路についても、20メートル2車線から、27メートル4車線に変更したい」と報告がありました。

 この道路の車線数・車線幅については、99年から1500万円かけて交通量調査などを行い、04年に483万円、05年に100万円でさらに補足調査を行いました。その結果、2車線でも周辺道路に影響が及ばないという方向性がでていました。
 
 共産党は、「総事業費は?」と質問。市は「4車線になると都県境から保谷志木線まで(県事業)は総額74億5千万円で、新座市の負担分は1割の7億5千万円。保谷志木線から産業道路(市事業)までは21億8千万円」と答えました。

 市議団は、「1国、県言いなりのムダな大型事業の典型だ。これまでの調査や論議でも2車線で充分。2保谷志木線から産業道路までの新設道路は不要。3産業道路まで4車線にすれば新座市内は今までよりもっと大渋滞が起こる」と批判しました。

 これまでの2000万円以上かけた交通量調査を足蹴にするような4車線道路は、254バイパス以上の大型道路。関越高速道路との接続も予想されます。30億円の財政負担に加え、都内からの車で市民にとっては渋滞と排気ガスが増加するだけではないでしょうか。
都市計画道路 保谷・朝霞線

 東京都が建造中の「調布・保谷線」(36メートル4車線)が2010年度完成予定で新座市野寺に接続され、その受け皿として都市計画道路「保谷・朝霞線」の整備を、新座市は県と協議してきました。

 都県境の野寺から保谷志木線まで1040メートルは県事業、保谷志木線から産業道路まで700メートルは新座市が建設する、としています。
都市計画道路 保谷・朝霞線 資料
公務員と住民が連帯して反撃を
「新座市の行革を考える市民集会」開かれる
 12月13日、「新座市の行革を考える市民集会」が野火止公民館で開かれ、約70名が参加しました。

 最初に田中章史氏(自治労連副委員長)は、「小さな政府=公務員削減は、生存権を保障する国家の責任を後退させ、国民に『自己責任』を求める自民党の改憲草案と一体のもの」と大きく問題提起。しかし、「耐震強度偽装問題などで、規制緩和・民間化に対する国民の意識の変化が生まれている。国民と公務員の分断に反撃するキーワードは『この街をどんな街にするのか』を住民、公務員、NP0などが率直に話し合いを進めていくことだ。」と講演しました。

 続いて、笠原市議が「新座市の行革の問題点」を提起。参加者から「個々のサービスカットだと、私は関係ないわとなる。自治体の性格そのものが変わるという本質をもっと訴えていこう」「市民に喜ばれてナンボと自覚して仕事をしている。常時残業で人が足りない職場もある。」(市職員組合)「学校では消耗品費が足りず子どもから徴収。病休者に代替教員がすぐ配置されないなど平常の教育が大変です。英語教育に7000万円かけ、林間学校の補助を削るのはおかしい。」(教組)などの意見が出され、公務員と住民がお互いの現状を知り合う地域懇談会をもち、行革に反撃していこうと結ばれました。
中田議員に「厳重注意」
 12月16日、三村邦夫議長から中田勇議員へ厳重注意が行われました。新座市議会では異例のことです。

 事の発端は、6月議会の一般質問で中田議員が「扶桑社の歴史教科書」を取り上げたが、議会運営委員会が「教科書採択時にその不採択の理由を問う事は特定業者の利益誘導に当たるため適当ではない」と判断し、中田議員も同意し本会議で本人申し出により発言の一部を削除したことです。ところが、議会終了後、中田議員は自らの議会報告「勇進会報」で「議会運営委員会で・・・全会一致でこの部分の発言の削除が決定された。果たしてこの決定は正しいか?否」と記述して配布していることが判明。

 9月以降は議運で何回もその件を議論。中田議員の所属していた新明会でも何回も話合い、「勇進会報」の記事は事実と異なり小糸幹事長が責任を持って次号で訂正文を掲載する事に。ところが10月の議運で中田議員は「自分は間違っていない。言論弾圧だ」など反省の態度は皆無。とうとう保守系市議は中田議員とは同一会派を組めないとして10名で「政和会」を立ち上げ、中田議員は一人会派になりました。

 議運は「中田勇議員に反省を求めます」と題した文書を尾崎委員長が中田議員に手渡し、三村議長が厳重注意を行いました。

 文書は「発言の削除は本人申し出により行った。議会運営委員会の総意を否定する言動は看過できない事態である。・・・ここに文書をもって中田議員に対して『勇進会報』次号において反省と訂正文の記事掲載を求めるものである」というものです。
中田勇議員への厳重注意

 平成17年8月26日発行された中田勇議員の「勇進会報」の一部で表明された議会運営委員会への批判については、客観的な事実と異なるものであります。新座市議会運営委員会は再三にわたり中田勇議員へ記事の訂正と反省を求めたがこれに応じず、事実に反する一方的な持論を展開し、反省をしない姿勢は誠に遺憾であります。よって、中田勇議員に対し厳重に注意します。

平成17年12月16日 新座市議会 議長 三村邦夫
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