日本共産党新座市議会議員団
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にいざ民報

2006.5.21  No.1164
日本共産党新座市委員会
介護保険で市民を支える新座市の「利用料補助制度」
日本共産党市議団が特養老人ホームを訪問
 5月11日、12日、日本共産党市議団は市内の特別養護老人ホームを訪問し、今年4月からの介護保険制度改訂に関わって、ご意見、ご要望等を伺いました。

「ホテルコスト」の影響 施設の減収は年間約三千万円に

 施設を運営する側から見ても「昨年10月から利用者の居住費(ホテルコスト)と食費の自己負担が増えたことが一番の変化」との事。「今まで年金での支払いでトントンだった負担がきつくなってしまうのではと気がかりだったが、新座市は所得によって利用料補助があるので、ほとんどの方が該当し、他市の人と比べると助かっている」とのことでした。

 しかし食費等を利用者から徴収する建前のため、施設への介護報酬が改訂され、年間3000万円から4000万円近くの減収になってしまうとのことでした。

地域包括支援センター 千七百万円では常勤三人は雇えない

 また、新座市では来年4月から特養ホームなど市内6ヶ所の介護保険事業所に「地域包括支援センター」の運営を委託し、介護予防や相談業務、権利擁護などを担ってもらう予定です。

 「地域包括支援センター」は3名の専門職(主任ケアマネージャー、保健士、社会福祉士)を常勤で雇用しなければなりませんが、市が提示している運営費1700万円では、専門職にふさわしい給与で経験を積んでもらうには将来的にも不安があるということでした。

 施設としてより良い介護のために、経験を積み重ねる常勤者を雇用することと、利用者負担をできるだけ少なくしていくことの両立に苦労されている実態がわかりました。
働く人にクズはいない 青年と「ダベる」
参議院議員 大門みきし
大門みきし  国会の予算委員会で青年の雇用問題を取上げました。(NHKで放映)テレビの威力は凄いものでインターネット「2チャンネル」掲示板に私の質問への意見、感想が千件を越えて書き込まれていました。若い人が圧倒的で言葉もダベり調。「このままだと共産党に票を入れてしまいそう、ヤバイ」というのもありました。
 国会に届いた青年のメールには、「誰も言ってくれないことを言ってくれてありがとう。」というお礼の後に、「正社員になれず請負ばかりを転々としている。僕みたいな中途半端なのを人間のクズと言うんでしようね」とあります。さっそく返事を送りました。

「クズは国会に一杯います。額に汗して働く人間がクズのわけがない」と。

 青年たちの本当の思いはインターネットやメールの世界、そして「ダベり」の中にあります。耳を傾けていきたいと思います。
ヘルパーさんが30分短縮に
4月からの介護保険法改悪の影響
 Sさんは、90歳になる介護度3の夫と二人暮らし。時折救急車で病院に運ばれながら在宅で頑張っています。ヘルパーさんが週2回、一回2時間来てお掃除と買物、散歩などを一緒にやってくれて助かっていました。ところが4月からヘルパーさんの時間が1時間半に短縮に。腰が痛くて家事もままならず困っています。

 Oさんは変形股関節炎で手術をし、もう片方も手術予定で現在家の中でさえ歩行困難ですが介護度1。リハビリに週2回通い一回890円でしたが、4月から400円引上げられ1290円に。その上ヘルパーさんの時間もやはり一時間半に。これは国のヘルパー派遣の時間単位が引き下げられ、一時間半以上の加算金が廃止となったため。またリハビリ費用負担増は国の医療費の再診引下げから利用者負担増となったものです。

 Tさんはパーキンソン病で長年苦しんでいます。「介護度1」です。もし今年の更新で「要支援」になると今レンタルしている電動ベッドが借りられなくなる。寝返りもうてない体なのに・・と大変心配しています。国は軽度の介護者の「自立を妨げている」として車椅子やベッドを取上げる制度改悪をしたためです。
「いこいの森コンサート」開催される
いこいの森コンサート
 堀ノ内三丁目のいこいの森のステージを利用した「いこいの森コンサート」。今年はあいにくの雨のため堀ノ内集会所で和やかに開催されました。

 跡見女子大の青空ライブ愛好会の美しいギターと歌、第六中吹奏楽部の心にしみる「大きな古時計」などの演奏が披露されました。20日は大束晋さんのパンフルートの漬奏も楽しみです。

 新座の雑木林を守っていく大切さをしみじみ感じたひと時でした。

(小鹿伸衛市議・記)
教育基本法「改正」案は
「内心の自由」を奪う国民精神統制法だ
 「教育基本法改悪を許さない緊急集会」が13日県労働会館で開かれ参加しました。教育と自治・埼玉ネットワーク、子どもの人権埼玉ネット、教育基本法の改悪を許さない埼玉のつどいの3団体の共催です。

 片岡洋子千葉大教授は、教育基本法「改正」案の問題点として、1国民主権の担い手を育てる教育から、国家の支配に服する国民の教育への変更となる。2変える理由として今日の子どもの諸問題をあげているが、教育基本法に基づいた教育を進めなかったからこそ今の教育が多くの問題を抱えている。3第5条(男女平等)の削除には反対。全国的には高校も男女共学だが、埼玉では「進学校」のみ別学が維持されている。4国家は教育内容不介入、教育条件整備を基本とすべき。5憲法・教育基本法を生かすことを私たちの「責務」とし、世界の平和を願う人々とともに生きていこうと語りました。

 林かずとし埼玉大教授は、「改正」案は、1「個人の尊厳・人権・権利」よりも、「国・政府の権限」を優先している。2「愛国心」「伝統と文化」「規律」等の「教育目標」を詳細に規定し、「内心の白由」を奪うものだ。3能力主義・新自由主義で教育上の格差・格差社会を拡大する。4男女平等教育が後退する。5国際人権規約や子どもの権利条約を全く無視していることなどを指摘し、国民精神統制と国際貢献国家建設のための「改正」だと話しました。また民主党が発表した案は、一部に国際法などの進んだ部分を取り入れているが、愛国心教育など全体としては大きな問題点を持っていると語りました。

「愛国心」教育は修身教育の復活

 藤田昌士元立教大教授は、「愛国心」教育のねらいは「国家防衛の気概」と「天皇への敬愛」だと説明し、「改正」案は「戦前の修身教育のように国家に奉仕する人間をつくろうとするものです」と話しました。

 高校と中学の教師からは、東京の学校現場のひどさが報道されているが、埼玉でも職員会議で採決をさせず校長が自分で決定してしまうことなどが話されました。

 私は昨年12月に自衛隊朝霞駐屯地を塩川衆院議員と視察したことを発言。朝霞基地では海外で戦える自衛隊への機能強化が進んでおり、イラクの蛮行を思わせる市街地戦闘訓練が実施されている。近くそのための実弾射撃訓練施設(9・7億円)が建設され、海外派兵のための中央即応集団司令部も朝霞基地に建設される。私たちの足元で戦争準備が進み、進んで参加する兵士を作るための「愛国心」教育が教育基本法「改正」の狙いだと発言しました。力を合わせて改悪を阻止しましょう。

(笠原進市議・記)
[ストップ教育基本法改悪] No.2
若者に希望を 教室にロマンを
 子どもや若者の問題が話題になるたびに、彼等は宣伝してきた。「教育が悪いからだ。教育基本法を変えなければ」と。彼等とは憲法九条を変えたいと考えている人たちだ。私の知人にもそういう宣伝に惑わされている者がいる。

 「政府が教育基本法を守らなかったから今のようになったのだ」と私は知人を説得する。そうだ、文部省が教育基本法を尊重したのは戦後の数年間だった。

 朝鮮戦争後、日本の独占資本が復活の兆しを見せてから文部省の姿勢はあやしくなり、昭和33年の学習指導要領改訂に道徳教育を入れ「指導要領は法的拘束力を持つ」と言い出してから、勤務評定、全国一斉学力テストの強行と、教育内容を管理統制しようとし、教育を国家権力の「不当な支配に服」させようとしてきた。

 そして現在、勤務評定を強化し、全国学力テストによる学校の序列化、学区の自由化などによって教育を競争のるつぽに投げ込もうとしている。

 戦後、多数の青年が教師になった。彼等は暗中模索して教育実践の手がかりを得ようとした。中高年の教師たちは先輩づらすることなく、むしろ若い人たちの新鮮な感覚や発想に敬意を払い、同じ目線で語り合った。夜の宿直室で、下宿先の貧しい部屋で。子どもたちの未来を語ることは、祖国の未来を語ることだった。

 その熱気が、全国各地に無数の研究サークルと「山びこ学校」などの実践を生み、毎年一万人参加の教育研究集会に結実し、三十もの全国研究団体になった。

 戦後十数年間、教師も子どもも自由闊達のすばらしい時代だった。その時代も、教育の現場に抑圧が強化されてきた時代も、教師たちを励まし続けたものは、昭和初期の先覚者たちの実践と、憲法、教育基本法だった。その改悪に黙っていられない。

(投稿・大森・菅沢)
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